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結果の書き方①

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結果の書き方①

【ステップⅠ】最初に意識すべきこと

今回は、結果の書き方を解説します。
結果では、統計的な処理や図の作成、更には統計的検定なども要求され、作業量も多く大変な章と言えましょう。
まずは、最低限守るべきルールを確認し、とりあえずの体裁を保てることを目指します。
図の書き方表の書き方、t検定などの統計的検定の方法と記載の仕方は、別途解説します。

1. 結果も全て過去形で
2. 結果で書くべくこと:結果も文章で、図や表を貼り付けるだけは不可
3. 図と表は適切に

1. 結果も全て過去形で

 方法は全て過去形で書くことが要求される。この時制の問題は、結果でも同様となる。結果では、既に行われた実験の結果をまとめたことが報告される。そのため、「~のような結果になった」と過去形で記述される



2. 結果で書くべくこと:結果も文章で、図や表を貼り付けるだけは不可

 結果で良く見られる悪いレポートの例に、図や表を貼り付けただけで終わりというものがある。これは絶対にやってはいけない。既に述べた通り、実験レポートは実験を報告する文書であるので、文章による記述が基本となる。図や表は、文章のみでは伝わりにくい点を分かりやすく伝えるための補足であると考えるべきである。そのため、適切な文章による結果の説明が必須となる。
 すると、結果ではどのような書くべきかが問題となる。ここでは、以下の3点をこの順番で書くことを推奨する。

① 基本的統計量の説明と図や表への言及
② 得られた結果の細かい解説
③ 統計的検定の結果の記述


① 基本的統計量の説明と図や表への言及
 最初に、計算した平均値や標準偏差について説明し、それらがどの図や表にまとめられているかを説明する。注意すべき点としては、以下の通り。
a) 平均値などの計算過程(計算式や使用した統計ソフトなど)の説明は不要。
・「○○○について平均値と標準偏差」を算出したでOK。
・平均や標準偏差は、一般的に用いられる指標であり、特別な計算式を用いられる訳ではないので、計算式を挙げて、「以下の式に従って計算した。」などの表記は不要。
・「Excelの関数機能を用いて計算した。」などの使用ソフトについても記載する必要はない。統計ソフトや計算に使用した機器が異なっても、元のデータが同じであれば同じ計算結果になるはずなので、特殊な機材を用いた場合などの除いては、特に記載する必要はない。
b) ローデータは不要
・元のデータ(実験参加者毎の全員のデータなど)は、結果の章では必要ない。もし付けるのであれば、レポートの巻末に添付資料とするので充分。平均値など、ある程度の処理をした後のデータのみを扱うので良い。

<書き方の例>ミューラー・リヤー錯視を例に
例①:
 実験条件毎に錯視量の平均値と標準偏差を算出して、図1に示した。
例②:
 図1は、錯視量の平均値と標準偏差を斜線長毎に示したものである。
例③:
 実験条件毎に平均錯視量と標準偏差を算出した(図1)。


② 得られた結果の細かい解説
 次に、図や表で示した平均値や標準偏差について、細かい説明をする。図に示したと言って終わりで、中身を見てくれでは駄目で、文章で結果の重要な点を細かく説明する必要がある。実験演習レベルの場合、それほど多くの指標を取っていることはないと思われるので、計算した平均値を全て幾つであったかを文章中で説明するくらいで良い。
 注意すべき点は以下の通り。
a) 単位は忘れずに。
・平均値の説明で、単位が抜けているケースが見受けられるので、忘れないように。


③ 統計的検定の結果の記述
 ②で得られた平均値間の比較において、条件間に数値上の差があったとしても、それが統計的に意味のある差なのか、誤差によってもたらされた偶然によるものなのかは、数値を見ただけでは分からない。そこで、差の吟味をするために、統計的検定が要求される。計算方法や書き方は別途解説する。
 時折見受けられる悪い例として、結果でいきなり分散分析など統計的検定を説明するケースがある。結果の整理において、統計的検定は学生にとって大変な過程であり、最初にその点を持ってくる気持ちも分からなくはないが。読み手の立場に立てば、いきなり「分散分析を行ったところ、・・・」と統計的検定の話が来ても、何のことだかわからない。上記の①⇒②⇒③の流れであると、統計的検定においてどこの比較を行っているのかがわかりやすくなる。


3. 図と表は適切に
 図と表は、それぞれ書き方のルールがある。このルールを守ることが、結果を適切に書く初歩としても重要になる。それぞれの書き方のルールは別途解説する。

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Date: 2017.04.28 Category: 結果  Comments (0) 

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プロフィール

Author:ALJDN
専門は実験系心理学。
複数の大学で心理学実験の演習を担当。

初めてレポートを書く時はステップⅠを、1~2度経験してレポート作成の基礎が習得されてきたらステップⅡを確認することをお勧めします。

広く拡散して頂けると幸いです。

更に解説して欲しいポイントなど、ご要望があればお願いします。追加解説していく予定です。

その他、ご意見やご要望、あるいは実際のレポートにおける様々な実例など、ブログの充実に役立つ情報をお待ちしております。

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