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考察の書き方①

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考察の書き方①

【ステップⅠ】最初に意識すべきこと

今回は、考察の書き方の初歩を解説します。
方法や結果は、ある程度書くべき内容や型が決まっていて、ルールを覚えてそれに従えば、必然的にそれなりのレポートに仕上がるとも言えます。
一方考察は、実験結果が予想や仮説通りになったか否かでも書く内容が変わってくるなど、何をどう書けば良いのかが、一番困る部分でもあります。
初めて書く実験レポートにおいて、仮説が支持された場合、されなかった場合、両方を想定して、何をどのように書けば良いのかを解説します。


1. 注意すべき諸事項
2. 書くべき内容と順番



1. 注意すべき諸事項

 最初に、初期のレポートによく見られがちな注意事項をまとめる。

a) 考察は、個人的な感想を書く場所ではない。
・実験を実施しての感想や、レポートを書く際の感想、あるいはそれらを通して何を学んだかなどが書かれるケースが見られるが、そのようなことは書かない。
<書くべきでない悪い例>
 実験の実施は大変緊張した。
 データの整理は大変であったが、実験自体はとても楽しかった。
 この実験を通して、実験レポートの書き方を学べてとても有意義であった。
 次はもっとしっかりとやりたい。
 実験がうまくいってホッとした。
 などなど。

b) 話し言葉は使わず、論文らしい表現を心掛ける。
・実験レポートだからと言って、堅苦しい文章や表現をしなければと構えるのもマイナスだが、しかし話し言葉のような文章に相応しくない表現はしないように。

c) 主観的な表現はしない。
・実験レポートの科学論文に準じて書くことが要求されるため、主観的な表現はさけなければならない。考察では特に見受けられるので、注意する。
<書くべきでない悪い例>
 残念ながら有意差は見られなかったが・・・・・・
   ⇒ 差が出た、出なかったは客観的事実として受け止める。残念もくそもない。
 かなり大きな差がみられた。
   ⇒ かなり、わずかな、とてもなど主観的で曖昧な表現は避けるように。
 ~という気がする。
   ⇒ ~と思われる。~と考えられる。~である。などとする。


2. 書くべき内容と順番

・初期の段階では、以下のような内容と順番を意識した考察を書くと良い。

a) 考察の冒頭で、目的に対する解答を明確に。
・考察の最初で、目的に対する解答を明確化すること。
・例えば、ストループ効果の実験であれば、”ストループ効果は確認された or 確認されなかった”とか、転移を確認する実験であれば、”転移は確認された or 確認されなかった”という点を明確にする。
・その際に、目的に対する解答の根拠となる部分は、簡潔にすること。これは、結果と内容が重複してくるので、重複を避け、重要な部分のみを記載すること。検定の詳細な結果や具体的な平均値などは当然記載しない。

<書き方の例>
例①:○○群と××群の間に差が認められたことから、△△△の効果は確認されたと言える。これは、仮説を支持する結果であり、・・・・・・
例②:○○○の効果に有意差は認められず、仮説は支持されなかった。一方、×××の効果は・・・・・・


b) 得られた結果の一般化や一般的な知見と絡めた議論。

・結果で差がみられた場合によくありがちなのが、「差がありました」で話が終わってしまうことである。その後に、「だから何?」につながっていかない。
・実験演習で用意されている実験は、古典的な実験が多く、改めて授業内の実験によって何か新しい事が分かるということはない。すると、実験結果の解釈や意味づけ、一般化と言われても、何もしようがないのも確かである。
・そこで、初期の実験レポートにおいては、実験のテーマ全般に渡って、その分野の実験の意義や、扱っている題材と日常との接点などを考察することをお勧めする。
<具体例>
 例①:ミューラー・リヤー錯視の実験
 日常のなかにあるミューラー・リヤー錯視の例や、もう少し広く錯視研究のもつ意味などを考察する。
 例②:鏡映描写を用いた転移の実験
 知覚運動学習における転移の日常例や日常的な場面での意義などについて考察する。


c) 実験の問題点の指摘と改善方法、今後の課題など。
・実験を行った際、様々な問題点や改善点に気付くと考えられる。これは、実験計画そのものに含まれる問題点もあれば、実施上の不注意なども有り得る。
・このような問題点は、それによって結果が変わってくる可能性も考えられるため、問題点の指摘などを考察で行うべきである。
・その際には、ただ問題点を指摘するだけでなく、何故問題なのか、どのように改善すべきか、問題点をクリアすれば結果がどう変わることが期待されるのかなど、結果の解釈や一般化という点とも絡めて論じると良い。



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Date: 2017.04.28 Category: 考察  Comments (0) 

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プロフィール

Author:ALJDN
専門は実験系心理学。
複数の大学で心理学実験の演習を担当。

初めてレポートを書く時はステップⅠを、1~2度経験してレポート作成の基礎が習得されてきたらステップⅡを確認することをお勧めします。

広く拡散して頂けると幸いです。

更に解説して欲しいポイントなど、ご要望があればお願いします。追加解説していく予定です。

その他、ご意見やご要望、あるいは実際のレポートにおける様々な実例など、ブログの充実に役立つ情報をお待ちしております。

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